豊島区が踊る秋!第58回ふくろ祭り後編~東京よさこい2025~

9月の「御輿の祭典」に続き、今回はふくろ祭りの後編、踊りの祭典こと「東京よさこい」を取材しました。取材前はそこまでよさこいに関心が無かった私ですが、池袋を中心に豊島区の街中で繰り広げられるエネルギーの渦にどっぷり引き込まれました。

踊り手の笑顔、観客の声援。これほどまでに街と人が一体になるお祭りがあるなんて。その魅力を伝えずにはいられませんでした。

この記事を書いた人
編集部大嶺晋弥

【大嶺 晋弥】

踊りが好きなのに実際は1ミリも踊れないという現実に心がムーンウォークしている。

 

池袋の秋の風物詩「東京よさこい」

地域が主役の踊りの祭典

池袋西口の再開発を祝って昭和43年に誕生した「ふくろ祭り」。その第2部として2000年にスタートしたのが「東京よさこい」です。地域の商店街や町会、学校、企業が一体となって運営する街ぐるみの祭り。

今では全国から115チーム・約5,000人もの踊り手が集まり、ふくろ祭り全体の来場者数は100万人超え。ステージは池袋西口駅前広場を中心に、巣鴨・目白・大塚まで広がります。「街全体がステージになる」まさにそんな言葉がぴったりのお祭りです。

前夜祭の雨を吹き飛ばす快晴の本祭

前夜祭はあいにくの雨模様で、参加者たちは空を見上げて祈るような表情でした。しかし本祭の朝、空はすっきりと晴れわたり、眩しいほどの青空が池袋の街を包み、踊り手たちの笑顔が弾けました。

観客も一緒に踊る!熱気あふれる演舞の瞬間

異なる演出が楽しめる複数会場

池袋西口駅前広場では大迫力のメインステージ演舞。アゼリア通りでは華やかな行進形式。みずき通りや四商店街通りでは、観客との距離が数メートルほど。踊り手の息遣いまで感じられるほどの近さです。

さらに巣鴨駅前や目白、大塚など各エリアごとに雰囲気が異なり、同じチームでも会場によって見え方が違う為、何度見ても感動します。

Shall We Dance?

東京よさこいの魅力は観客参加型であること。終盤の「総踊り」では、観客も飛び入りOK。小さな子どもからおじいちゃんおばあちゃんまで、見よう見まねで手を振り、ステップを踏み、自然と笑顔になります。

「その場にいること自体が感動」という言葉は本当で、誰もが踊りの輪の中にいるような不思議な一体感が広がっていました。

よさこいダンスチーム「Alive」が見せた唯一無二の世界観

「踊りを通じて、人生を豊かに」

今回取材させていただいたのは、東京発のよさこいダンスチーム『Alive』の皆さん。チームのコンセプトは「踊りを通じて、人生を豊かに」。ジャズ・バレエ・コンテンポラリー・よさこいを融合した、ジャンルの壁を超えた表現者集団です。

普段は江戸川区・世田谷区・葛飾区などを中心に活動している彼らが、豊島区の街中で舞い踊る姿は新鮮そのもの。指先のしなやかな動き、目線の強さ、呼吸を合わせたフォーメーション。どの瞬間を切り取っても絵になる完成度でした。

よさこい初心者ものめり込む!

実は私、よさこいを見るのは今回が初めて。「ちょっと地味な伝統踊りかな?」という勝手なイメージは開始2秒で払拭されました。音楽が鳴り響いた瞬間、Aliveの皆さんの動きがピタッと揃い、スピード感と表情の豊かさに息を呑みました。良い意味で思ってたんとちゃう。

「よさこい=カッコいい!」そう心の底から思えた瞬間でした。観客席では「うわ、すごい!」という歓声とともに、スマホで夢中に撮影する人々。その熱量の波が、まるで街全体を包み込んでいくようでした。

街・人・踊りがひとつになる瞬間

屋台も笑顔も満開!祭り全体で楽しむ池袋

演舞の合間には、池袋エリアにずらりと並んだ屋台へ。焼きそば、たこ焼き、焼き鳥、どこも行列が絶えません。子どもたちの笑い声、香ばしい匂い、遠くから聞こえるよさこいの音が混ざり合って、五感が幸せで満ちていく~。

表彰式の緊張と感動のクライマックス

すべての演舞が終わり、表彰式のために全チームが池袋駅前に集結。道路いっぱいに並ぶ踊り手たちの姿は、まさに壮観。司会者が名前を呼ぶたびに歓声と拍手が沸き起こり、観客も踊り手も晴れやかな表情をしていたのが印象的でした。

豊島区の秋を彩る「東京よさこい」は、踊りだけではなく、人と街がつながり、心が温かくなる祭典でした。今年は観る側だったあなたも、来年はぜひ踊る側に。池袋の秋風に乗って、YOUも一緒に踊っちゃいなよ。