食と笑顔があふれる大塚の秋!「大塚三業祭り」で感じた街の絆

秋風が心地よく吹く11月の大塚で、商店街全体が笑顔に包まれる「大塚三業祭り」。かつて芸者さんが行き交った花街・三業通りに、今は地元の飲食店や家族連れ、常連さんたちが集まり、賑やかな1日をつくり上げています。

大塚で長く取材をしてきた身として、「この街の温かさをもっと知ってほしい」と思い、今回はその現場に飛び込んできました!

この記事を書いた人
編集部大嶺晋弥

【大嶺 晋弥】

大塚のグルメ沼にハマって抜け出せない人。取材と称して太り散らしている。

食べ歩き天国!大塚三業通りの屋台グルメ

人気店の味が一堂に!胃袋が追いつかない幸せ

大塚の人気店が勢ぞろいし、「あ、ここ知ってる!」の連続。常連さんと偶然顔を合わせて乾杯、なんて場面も珍しくありません。なかでも「でんや御馳走」さんのミニクロワッサンおでんは衝撃の一品。

クロワッサンがじゅわっと出汁を吸って、甘じょっぱい新世界が広がります。見た目に反して、ちゃんと美味しい。いや、めっちゃ美味しい。

そして「とんかつ三節」さんのとんかつバーガーは行列必至。筆者が並んだ時には売り切れでしたが、代わりに食べた単体とんかつのサクサク感と肉汁に完全ノックアウト。これもまた祭りの運命です。

クラフトビール片手に味わう地元の風景

NAMACHAん Brewing」さんのブースでは、常連さんが店主に代わってビールを注ぐ姿が印象的。お店の温かさとフレンドリーさがそのまま屋台に出張していて、飲みながら話すうちに自然と笑顔が生まれる。

republic」さんではハイボール片手に麻婆丼を頬張り、近くの子どもたちは綿あめを手に走り回る。五感が喜ぶ「大塚の味」が通りいっぱいに広がっていました。

体験イベントがすごい!子どもも大人も夢中に

うなぎつかみ取りに歓声が上がる!

子供たちに大人気だったのは「うなぎ宮川」さんのうなぎつかみ取り。バケツの中で元気に泳ぐうなぎを前に、子どもたちが真剣な表情。掴んだ瞬間の「とれたー!」の声に、周りの大人たちも拍手喝采。

その後、焼きたてのうなぎ串が並び、香りだけでご飯三杯いけそうな勢いです。列をなす姿を見て「さすが宮川」と納得。

伝統×体験=新しい学びの場

アトリエfeuille」さんでは水引ワークショップが行われ、親子で挑戦する姿が微笑ましい。昔ながらの技術に触れることで、子どもたちが「手で作る楽しさ」を感じる瞬間がそこにあります。

他にも「串打ち体験」や「楽器体験」、さらには農園による野菜詰め放題も大人気。大塚のテーマパークと化しています。

商店街の力!若手の情熱と地域の絆

若手メンバーが創る、街の新しい伝統

「大塚三業祭り」は2015年、商店街の若手メンバーが「自分たちの街をもっと元気にしたい」と立ち上げたのが始まり。第1回から少しずつ改良を重ね、今ではイベントスペースから人が溢れるほどに成長しました。

この規模感と温かさが両立しているのは、大塚ならではのチームワークの賜物です。

商店街全体でつくるおもてなしの空気

普段営業しているお店も、この日は特別メニューを用意。「鮨秀」さんの海鮮焼きや「小倉庵」さんの手打ち蕎麦など、店舗前から漂う香りに誘われる人々。お祭りというより、まるで大塚の食文化博覧会。

「お客さんが楽しんでくれるなら」と語る店主さんたちの笑顔に、胸がじんわり温かくなりました。

歴史を感じる通りに、今も息づく“粋”と“ぬくもり”

三業の名が語る、花街の記憶

かつて「料亭・待合・置屋」が並んでいた大塚三業通り。芸者さんが行き交った華やかな時代を経て、今もその名残が通りの佇まいに残っています。石畳風の舗装やレトロな建物の数々が、昔と今をそっとつないでいるのです。

変わらないのは、人の温かさ

取材を終えて感じたのは、「人」がこの街の一番の魅力だということ。世代も職業も違う人たちが、ひとつのお祭りで肩を並べて笑っている。そんな光景こそが、大塚という街の粋でありぬくもりでした。

お腹も心も満たされる、まさに大塚の秋の風物詩。来年の「大塚三業祭り」も、きっと新しい出会いと笑顔が待っています。ぜひこの温かな通りで、あなたも一緒にほっこりしてみませんか?