大塚・萬劇場 ~地域と共に歩む、心温まる劇場~

萬劇場アイキャッチ

JR大塚駅北口から歩いて約4分。静かな通りを進んでいくと、どこか懐かしさを感じさせる「萬劇場(よろずげきじょう)」が現れます。一見こぢんまりした外観ですが、中に入ってみると想像を超える開放的な空間が広がり、おもわず驚くはずです。

萬劇場は1994年に誕生し、演劇はもちろん、お笑いライブ、ダンス、講演会、展示会と、自由な劇場で、今では毎週600~1000人が訪れる人気スポットです。今回はそんな萬劇場さんの魅力をより多くの人に知ってもらうべく執筆させていただきました。

この記事を書いた人
編集部大嶺晋弥

【大嶺 晋弥】

演劇素人の至って普通の会社員だが、会議中の話が全然わからなくても首を縦に振るシーンでは役者以上の名演技を繰り広げる。

小劇場なのにスゴイ設備!?

贅沢な設備の充実っぷり!

舞台の奥行きによって客席は120席から最大135席まで調整可能。しかもこのサイズの劇場では超レアな「電動昇降バトン(照明や美術の吊り道具)」が完備されてるんです。普通の小劇場だと脚立でよじ登って作業するところを、ここではボタン一つで安全&スピーディーに設営可能。

さらに観客席はパイプ椅子ではなく、フッカフカの映画館スタイルの椅子。これがびっくりするほど座り心地抜群。イベントによっては椅子を締まって、もっと広く劇場を使うこともできます。

劇場スタッフさんがとにかくあたたかい

萬劇場で働いているのは、実は現役の役者さんや舞台監督の方がほとんどで、舞台のことをよ~く知っているから利用者も安心。案内してくれたスタッフさんたちはとってもイキイキしていて、「劇場が本当に大好きなんだな」と感じました。

素敵すぎる劇場誕生秘話

最高の環境

萬劇場は、オーナーさんが他の劇場を観に行ったとき「もっと良い場所をつくりたい」と感じたことがきっかけで誕生したそうです。「表現する人のための劇場を作りたい!」という熱い思いが詰まった場所なんです。

あの有名な小説『コーヒーが冷めないうちに』の原作演劇も、実はここで上演されていたんだとか。著者の川口俊和さんも、ヒット後に劇場へ再訪し、再演が叶ったという素敵なエピソードもあります。

コロナ禍を乗り越えた絆

萬劇場にとって忘れられないのは、やっぱりコロナ禍。
公演中止で大ピンチだったけれど、全国の劇場に先駆けて感染対策ガイドラインを作り、換気設備もバージョンアップ。劇場を守るために、スタッフみんなが一丸となって走り続けました。

そして、萬劇場を愛する利用団体や観客が「劇場を守りたい!」と自主的にクラウドファンディングをスタート。たくさんの人の支えで、萬劇場は今もこうして元気に続いているんです。まさに“みんなで育てる劇場”!

地域と一緒に楽しむ仕掛けがいっぱい

萬劇場は地域とのつながりも大切にしています。「折戸通りの小さな夏祭り」は劇場がきっかけでスタートしたイベント。さらに、「萬劇場夏の短編集2025 大塚ショートストーリー」では、地元のお店や企業を劇団が取材して、そのストーリーを演劇にしちゃう面白い企画も。

子ども向けの体験イベント「劇場で遊ぼう!」も人気で、心と体を開放しながら、演劇を通して想像力を育てることができます。「演劇」「地域」「子どもたち」の3本柱で、ますます楽しい劇場を目指しているんです。

“萬“に込められた想い

「萬劇場」という名前は、“無限の可能性と表現が広がる空間”という意味。まさに名前通り、夢を追う人を応援し、地域に根付き、みんなの心をほっこり温めてくれる劇場です。

もし大塚を訪れることがあれば、ぜひ一度、萬劇場をのぞいてみてください。
きっとあなたも「また来たい!」と思える、心に残る素敵な場所に出会えるはずです。

住所 東京都豊島区北大塚2-32-22
席数 135席
アクセス JR大塚駅北口 徒歩4分
アドレス otsuka@yorozu-s.com
電話番号  03-5394-6901
公式サイト 公式サイト